ゆうゆうフォトアルバム

「 うっとり 」
新春初回の音景色の会場には、終演後、120人ものうっとり感が漂っていた。

楊 藝(ヤン イー)さんの二胡と楊 晶(ヤン ジン)の楊琴、琵琶の演奏にすっかり魅了されたからだ。
二胡と楊琴の音色は、何とも哀愁に満ち溢れ、旅情のもの哀しさを聴衆に与える。

代表的な曲 ━ 燕になりたい は、大陸を羽ばたく燕を見上げながら、そんな自由をうらやましく憂いながら、想いを馳せる曲。
10曲に及ぶ、それぞれの曲に込められたイメージを描きながら、聴き込むとその情景や情念が湧き上がってくる

二胡は2本の弦を操る中国の代表的な弦楽器。
楊琴は対照的に187本の銅弦を2本の小竹で打ち鳴らす。
その対照的な民族楽器からかもし出される音景色が、そのうっとり感を生んでいる。

楊 晶さんが独りでつまびく、琵琶は表は桐、裏は黒檀(こくたん)で作られ、日本の琵琶と違い、バチを持たずに5本の指に爪を付けて、楽器をほぼ垂直に立てて演奏する。
独りの演奏ながら、その所作と音色の奥深さに引き込まれていく。

中国から楊 晶さんのご両親も鑑賞に来られていて、紹介させてもらったことで、会場の雰囲気もさらに和んでいく。

━ うっとり
今日は、そんな言葉がぴったりの音景色だった。