ゆうゆうフォトアルバム


映画音楽は眼を閉じて聴き入るのもいいなと思った。

「 ひまわり 」の演奏では、一面のひまわり畑とソフィアローレンの美貌が
脳裏を占めたことがその証でもある。

平成最後の170回目の音景色フロアコンサート。
懐かしい映画の名曲が、ピアノトリオで彩られる。

ズシリと心地よく響く北崎千代佳(きたざき ちよか)さんコントラバス、
そのバスに絡みついて音景色を鮮明にするミランダマサコさんのピアノ、
ミランダさんは外国人のご主人との間に5人のお子さんがいる、堂々としたピアニストでもある。
バスとピアノの隙間を通り抜けるように透明な旋律を奏でる、ヴァイオリンの加来洋子(かく ようこ)さん。

3人のアンサンブルには存分なキャリアの下に、映画の名シーンが蘇る音景色が拡がっていく。


112名の聴衆は名場面を想い出しながら、平成最後の音景色の彩を身に沁み込ませていたように見えた。



啓翁桜(けいおうざくら)は、早春を告げる花として、知られざる、春の象徴だ。
月一度の華道教室の三宅先生が活けて頂いた「啓翁桜」がヴァイオリンの竹内麻美(たけうちあさみ)さんとピアノの越智可奈子(おちかなこ)さんの傍らに飾られ、3月の音景色を益々春爛漫に彩っていた。
これからの桜開花に先駆け、春を呼ぶ一日となりました。



一曲目の黄昏のビギンの演奏が始まると、森田三惠(もりた みえ)さんの彩るクラリネットの黄昏感がホール全体に拡がっていった。
ベースの小車洋行(おぐるま ひろゆき)さんとピアノのみのようこさん、3名のトリオで奏でるジャズの名曲は、98名の聴衆の心に染み入る黄昏感に満ちた音景色を繰り広げてくれた。

曲の合間の森田さんのスピーチの間、みのさんのピアノによって、トークにエッセンスがさりげなく添えられる。
小車さんの渋いウッドベースの ♪BOM ♪BOM ♪BOM は、今日の彩りを一層深く輝かせてくれている。

アンコールを含めた10曲のジャズの名曲は、トリオの演奏で深く心に響く音景色を魅せてくれた。



「 うっとり 」
新春初回の音景色の会場には、終演後、120人ものうっとり感が漂っていた。

楊 藝(ヤン イー)さんの二胡と楊 晶(ヤン ジン)の楊琴、琵琶の演奏にすっかり魅了されたからだ。
二胡と楊琴の音色は、何とも哀愁に満ち溢れ、旅情のもの哀しさを聴衆に与える。

代表的な曲 ━ 燕になりたい は、大陸を羽ばたく燕を見上げながら、そんな自由をうらやましく憂いながら、想いを馳せる曲。
10曲に及ぶ、それぞれの曲に込められたイメージを描きながら、聴き込むとその情景や情念が湧き上がってくる

二胡は2本の弦を操る中国の代表的な弦楽器。
楊琴は対照的に187本の銅弦を2本の小竹で打ち鳴らす。
その対照的な民族楽器からかもし出される音景色が、そのうっとり感を生んでいる。

楊 晶さんが独りでつまびく、琵琶は表は桐、裏は黒檀(こくたん)で作られ、日本の琵琶と違い、バチを持たずに5本の指に爪を付けて、楽器をほぼ垂直に立てて演奏する。
独りの演奏ながら、その所作と音色の奥深さに引き込まれていく。

中国から楊 晶さんのご両親も鑑賞に来られていて、紹介させてもらったことで、会場の雰囲気もさらに和んでいく。

━ うっとり
今日は、そんな言葉がぴったりの音景色だった。